オンライン月例会
毎月一回 オンライン月例会を開催しております。所属される先生方との症例報告と古典研究を中心に学術と資質の向上を図ります。
また、学会誌「氣血の探究」を発刊し活動の成果としております。
当会は、鍼灸の更なる発展のために自由な雰囲気の中、流派の壁を超えてさまざまな考え方、哲学などを交流させる場となっております。
素晴らしい伝統医学である鍼灸がより多くの必要とされている患者さんに届くように日々研鑽に励んでおります!


月例会報告(敬称略)
令和7年度 オンライン月例会
令和7年4月16日 (症例報告) 田山鍼灸院 山田 竹弘
「ウクレレ弾きの弾発指の症例」
神経根部への施術と自宅での台座灸に加えて、刺絡を行い、練習後の保冷剤による
患部へのアプローチも効を奏したものと考える。4回の施術でほぼ完治した症例
筆者自身もギターを演奏するので、指のとのあたりに負担がくることもよく理解できて
いた点もより改善を早めたのではないかと思った症例であった。
令和7年5月15日 (症例報告) あかり鍼灸院 堀 朱里
「不定愁訴の症例」
第一子の1歳児の子育て中で、初めての子育てで緊張が緩むことが難しく、さまざまな
症状で困って来院された。
子供とほぼ二人だけの毎日で自分が社会から取り残されているような不安感もあると
見受けられた。
「共同養育」が人間本来の子育ての形だったのが、現代は母親一人にその養育の負担が
大きくなり、母親への心身のサポート必要だと考える。
そのサポートの一躍を担うことができる鍼灸治療。
もちろん施術のみでなく、周辺環境の整備も必須だが、身体だけではなく、こころも寄り添える
鍼灸師の存在も大きいのではないか?と考えさせられた。
筆者の患者さんへの誠実な向き合い方も見習いたい。
令和7年6月19日 (症例報告) 山崎針療院 山崎 浩一郎
「触診だからわかる緊張とリラックス」
全身性エリテマトーデス、突発性難聴、膝関節痛の3つの症例の共通点にスポットをあて
太極的に鍼灸治療を試みた結果、3症例ともに改善している。
現代医学ではバラバラに見える症状で、かかる科も治療も異なるが、鍼灸にかかると
その共通点をみつけ、シンプルに緊張を探り、その緊張jがどうほくれていくかに焦点をあて
ていくとだんだんとほぐれていき、改善していく。
これこそ、鍼灸の醍醐味で、我々鍼灸師にしか見つけられないところである。
このような宝のような視点を持ち続けて施術にあたっていきたいと思う症例だった。
令和7年7月23日 (症例報告) 下川鍼灸院 下川 貞行
「円形脱毛症の一症例」
A412ページにおよぶ大作。
西洋医学的基礎知識、その治療法、東洋医学的基礎知識、治療としての漢方薬、鍼灸治療
について詳しく解説していただいた。
下川先生の専門である小児鍼についてもその種類と用途についてもご説明いただいた。
加えて奇経治療の方法や考え方にも触れられている。考察では東洋医学と西洋医学の
捉え方を積分と微分に例えられて、大変興味深かった。
何より自身が闘病中にもかかわらず精力的に症例報告をされて、今までの臨床経験の
知識を惜しみなく私たちに届けてくださる鍼灸師としての姿勢に頭の下がる思いであった。
『稽古 古を稽える ~刀剣のルーツから現在までの剣道を探求して~』
瀬戸 靖博著
著者が24歳の時に下川先生の治療を受け、鍼灸にただならぬ興味関心をいだき、40年経過
した現在も治療を継続されている患者さんである方の本。
自ら鍼灸について勉強され、執筆されている本の一部を紹介された。
患者さんにそこまで信頼されることは、鍼灸師冥利に尽きると思う。
いままで長い間真摯に治療を続けてこられた下川先生のお人柄にもその理由があることは
間違いないといえる。
令和7年8月は 夏休みで お休みします。
次回は9月17日 (水) 20時スタートです。
担当は田山鍼灸院 山田 竹弘先生です。